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【AGA治療】ヘアサイクルを知って薄毛対策!|尼崎の皮膚科
こんにちは。
尼崎市武庫之荘の皮膚科「もりかわ皮フ科」です。
薄毛や抜け毛が気になり始めた方にとって、「髪の毛がどのように伸び、生え変わっているのか」を知ることは、AGA(男性型脱毛症)対策の第一歩です。
私たちの髪の毛は日々伸び、やがて抜けて生えかわっていきます。
この自然な流れの背景には、「ヘアサイクル(毛周期)」という仕組みが存在します。
今回は、髪の毛が成長し、抜け、再び生えてくるサイクルのメカニズムと、それがAGAとどう関係しているのかを、できるだけわかりやすく解説します。

森川 和宏 院長
経歴医院名:もりかわ皮フ科
所在地: 〒661-0035
兵庫県尼崎市武庫之荘1丁目5−7
三杉ビル武庫之荘4階
ヘアサイクルとAGA(薄毛)の関係とは?
髪の毛は、皮膚の内部にある「毛包(もうほう、または毛嚢/もうのう)」という小さな円筒形の構造から作られています。
部位 | 構造と役割 |
---|---|
毛包(もうほう、毛嚢/もうのう) | 髪の毛が作られる円筒形の構造で、皮膚の内部に存在します |
毛球部(もうきゅうぶ) | 毛包の深部にあるふくらみ。毛の成長が始まる起点です |
毛乳頭(もうにゅうとう) | 毛球部の中心にある細胞のかたまり。毛母細胞へ成長の指令を出します |
毛母細胞(もうぼさいぼう) | 毛乳頭を取り囲む細胞で、指令を受けて分裂・増殖し髪を成長させます |
毛乳頭を囲むように「毛母細胞」が存在しており、毛乳頭からの働きかけによって毛母細胞が活性化し、細胞分裂を繰り返すことで髪の毛が伸びていきます。
しかし、毛母細胞にも寿命があるため、いつまでも同じ毛包で毛を作り続けることはできません。
そこで、毛包の活動が一定の期間を経て入れかわる必要があり、それが「ヘアサイクル(毛周期)」と呼ばれる生理現象です。
ヘアサイクルの3つの期間とは?
このヘアサイクルは次の3つの段階から成り立っています。
サイクルの段階 | 説明 | 期間の目安 | 特徴 |
---|---|---|---|
成長期 | 毛母細胞が活発に分裂し、髪の毛が太く長く育つ時期 | 約2〜6年 | 髪全体の85〜90%にあたる「のびる毛」をつくりだす毛包がある |
退行期 | 毛乳頭からの指令が止まり、毛母細胞の活動が弱まり始める時期 | 約2〜3週間 | 毛包が徐々に縮小し、成長が止まる準備をする |
休止期 | 髪の成長が完全に停止し、自然に抜けるまでの期間 | 約2〜3ヶ月 | 成長を終えた毛が抜け、次の成長に備える |
髪の毛はこのサイクルを繰り返しながら、生え変わっています。
通常、私たちの頭には約10万本の髪の毛があり、そのうち大多数が成長期にのびます。
髪の毛は1日におよそ0.4mm伸びるとされており、理容室や美容室で定期的に髪を切る必要があるのもこのためです。
一方で、毎日自然に抜ける髪の本数は、個人差や季節差、ヘアケアの方法にもよりますが、おおむね100本程度までといわれています。
成長期・退行期・休止期の3つのサイクルが乱れ、成長期が短縮されたり休止期が長引いたりすると、髪の毛のボリュームが減少し、薄毛の症状が目立ってきます。
なぜAGAで髪が薄くなるのか?~成長期の短縮が問題~
AGA(男性型脱毛症)では、3つのヘアサイクルのうち、特に「成長期の短縮」が大きな問題になります。
通常、髪は数年かけて成長しますが、本来は約2〜6年あるとされる成長期がAGAでは数ヶ月にまで短くなることで、十分に育たないうちに抜けてしまいます。
この現象は「ミニチュア化」と呼ばれ、髪が細く短くなることで、全体のボリュームが減り、頭皮が透けて見える状態になります。
AGAが起こる仕組みとは?~ミニチュア化の原因~
髪が短く細い毛に変化してしまう「ミニチュア化」が、AGA(男性型脱毛症)の薄毛の原因の一つです。
ミニチュア化は、どのようにして起こるのでしょうか。
AGAは、ヘアサイクルの中でも特に「成長期」が短くなることで進行しますが、おもな原因は、男性ホルモンの一種である「DHT(ジヒドロテストステロン)」の影響です。
DHTは、テストステロンという男性ホルモンが5α-還元酵素(5αリダクターゼ)という酵素の働きによって変化した「活性型男性ホルモン」です。
あろうことかDHTは、毛包内の毛乳頭細胞にある男性ホルモン「アンドロゲン」と結合することで、毛を作る指令を出す毛母細胞の働きを弱めてしまう作用があるのです。
その結果、髪の成長期が短縮されることでミニチュア化が引き起こされ、髪の毛は十分に太く長く育たないまま抜けてしまいます。
このように、成長期が数年から数ヶ月にまで短縮されると、髪は次第に細く・短くなっていき、「ミニチュア毛」と呼ばれる軟毛に変化します。
これが蓄積すると、頭皮が透けて見える、いわゆる「薄毛」へとつながるのです。
特に前頭部(いわゆるM字部分)や頭頂部はDHTの影響を受けやすく、AGAの初期症状として現れやすい箇所です。
AGAの進行を防ぐには?治療法と生活習慣の見直し
近年では、AGA(男性型脱毛症)が進行するメカニズムがかなり明らかになってきたことにより、治療法も大きく進歩しています。
ただし、AGAは「病気」というよりも「加齢変化の一種」として扱われることが多く、治療の多くは保険適用外の自由診療になります。
AGAの主な治療法としては、外用薬、内服薬などが検討されます。
AGAの進行を抑えるには、DHTの影響を軽減し、ヘアサイクルを正常に戻すためのアプローチが必要です。
おもな治療法を紹介します。
外用薬:ミノキシジル
▪ 頭皮に直接塗布することで、毛母細胞を刺激し、発毛を促進します。
▪ 血行を改善する作用もあり、髪の成長環境を整えます。
ミノキシジルは、毛乳頭細胞や毛母細胞を直接刺激することで、発毛を促進するとされています。日本皮膚科学会でも推奨度の高い外用療法として位置づけられており、比較的軽度なAGA症状の方や、治療を始めたばかりの方にも使いやすい外用薬です。
使用を継続することで、休止期から成長期への移行を促し、新たな髪の成長をサポートします。
市販薬として入手可能な濃度もありますが、より効果的に使用するためには、皮膚科での適切な診断と処方が重要です。
内服薬:フィナステリド・デュタステリド
▪ DHTの生成を抑える薬剤で、5α-還元酵素(5αリダクターゼ)の働きを阻害します。
▪ 継続的な服用により、成長期の延長とミニチュア化の抑制が期待されます。
これらの内服薬は、AGAの根本的な原因であるDHT(活性型男性ホルモン)の産生を抑制することで、ヘアサイクルの正常化を図ります。
DHTは、5α-還元酵素という体内の酵素によってテストステロンから作られますが、フィナステリドやデュタステリドはこの酵素を阻害する働きを持っています。
これにより、毛乳頭や毛母細胞への悪影響を防ぎ、ミニチュア化の進行を抑えるのです。
なお、これらの薬剤を服用すると、前立腺がんの検査に用いられるPSA(前立腺特異抗原)の値が約半分に低下することが知られており、健康診断などの際には医師に服用を伝えることが重要です。
特にフィナステリドは前頭部や頭頂部の進行を抑える効果があるとされ、長期的な服用によって症状の進行を遅らせることが期待されます。
AGA治療薬は、いずれも毎日の使用や服用を継続することで効果を発揮します。
中止するとヘアサイクルが再び乱れ、薄毛が進行する恐れがあります。
効果を実感するまでには数ヶ月かかるため、医師と相談しながら根気よく続けることが大切です。
治療とあわせて心がけたい生活習慣
AGAの改善には、医療的な治療とあわせて、毎日の生活習慣を見直すことがとても大切です。
AGAは男性ホルモンの量には関係なく、生活習慣の乱れ、栄養不足、ストレスなどの複合的な要因で進行すると考えられているからです。
そのため、生活習慣の改善への取り組みは、髪の毛を育てる土台を整えることにつながり、治療効果を高めるサポートになります。
▪ 栄養バランスのよい食事
特にビタミンB群(B2、B6、ビオチン)や亜鉛、たんぱく質などは髪の成長に欠かせない栄養素です。
不足すると毛母細胞の働きが鈍くなり、成長期の維持が難しくなります。
▪ 質の高い睡眠
寝ている間に分泌される成長ホルモンは、毛母細胞の再生を助ける重要な役割を果たします。
毎日同じ時間に寝起きし、深い睡眠を取ることを心がけましょう。
▪ ストレスの軽減
過剰なストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、血行不良や毛根への栄養供給の低下を引き起こします。
リラクゼーションや趣味の時間を確保することも大切です。
▪ 飲酒・喫煙の制限
アルコールやタバコの摂取は、血行や代謝に悪影響を与え、頭皮環境を悪化させる可能性があります。可能な限り控えるようにしましょう。
▪ 頭皮ケアと洗髪のポイント
シャンプーは一日に一度、やさしく指の腹でマッサージするように洗いましょう。
爪を立ててゴシゴシこするのは頭皮を傷つける原因になります。
洗浄力が強すぎるシャンプーよりも、頭皮にやさしい低刺激のものがおすすめです。
洗髪後は、しっかりとタオルドライをしてからドライヤーを使って、根元から乾かすようにしましょう。
濡れたまま自然乾燥させると、雑菌が繁殖し頭皮トラブルにつながることもあります。
薄毛が気になったら尼崎市の「もりかわ皮フ科」へ早めのご相談を
AGAは進行性のため、早期発見・早期治療がとても大切です。
「最近抜け毛が増えた」「髪のハリ・コシがなくなってきた」と感じたら、まずは皮膚科にご相談ください。
治療を始めるタイミングが早いほど、改善の見込みも高くなります。
「もりかわ皮フ科」は、阪急電鉄神戸本線「武庫之荘駅」北口より徒歩1分ほどのところにあり、LINEやWEBで事前予約も受付しております。
AGA治療は保険適用外となる自由診療が中心ですが、治療法や費用についても事前に丁寧にご説明いたします。