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AGA治療を始める前に知っておきたい「抜け毛対策」の基本

こんにちは。
尼崎市武庫之荘の皮膚科「もりかわ皮フ科」です。

AGA（男性型脱毛症）は、進行性の脱毛症であり、放置すると症状が進行してしまいます。
しかし、適切な抜け毛対策を行うことで進行を遅らせることが可能です。

今回のコラムでは、AGA治療を検討している方に向けて、基本的な抜け毛対策について解説しますので、できるだけ早めに適切なケアを始めましょう。

森川　和宏　院長

経歴

医院名：もりかわ皮フ科
所在地：〒661-0035
兵庫県尼崎市武庫之荘１丁目５−７
三杉ビル武庫之荘４階

Table of Contents

AGA治療を始める前に「抜け毛対策」の基本をチェック

抜け毛は、できるだけ早めに適切な対策をとることが重要です。

AGAとは？

AGA（男性型脱毛症）は、成人男性に多く見られる進行性の脱毛症です。
おもに遺伝やホルモンの影響によって発症し、額の生え際や頭頂部の髪が徐々に薄くなるのが特徴です。
成人男性の 3人に一人は AGAが発症しているといわれており、何もせずに放っておくと、髪の毛の本数は減り続け、徐々に頭髪が薄くなっていきます。
AGAの進行を抑えるためには、「早めの対策」が重要なのです。

参照：独立行政法人労働者健康安全機構　旭ろうさい病院｜教えてドクターQ＆A>

抜け毛・薄毛セルフチェック

自分がAGAの兆候があるかどうかを確認するために、以下のセルフチェックを試してみましょう。

✔家族に薄毛の人がいる
✔最近、抜け毛が増えたと感じる
✔髪のボリュームが減った気がする
✔額の生え際が後退している
✔頭頂部の髪が薄くなってきた
✔髪が細くなり、コシがなくなってきた
✔朝起きたとき、枕に抜け毛が多くついている

3つ以上当てはまる場合は、AGAの進行が始まっている可能性があります。早めに医療機関へ相談しましょう。

AGAの進行を遅らせるための基本的な抜け毛対策

髪の健康は、生活習慣の影響を大きく受けます。日常生活の工夫が、抜け毛を防ぐ重要なポイントになります。
髪の健康を維持し、AGAの進行を遅らせるためには、日常生活の中で実践できる抜け毛対策が重要です。以下のポイントを意識して、適切なケアを行いましょう。

1. 栄養バランスのよい食事

髪の健康を維持し、AGAの進行を遅らせるためには、栄養バランスの取れた食事が重要です。
特に以下の栄養素を意識して摂取しましょう。

●たんぱく質（肉、魚、卵、大豆製品）

髪の主成分であるケラチンは、たんぱく質から作られています。
十分なたんぱく質摂取は、髪を強くし、健康的な状態を保つために必要です。
たんぱく質が不足すると、髪が細くなり、抜け毛の原因となることがあります。

●ビタミンB群（豚肉、レバー、卵、大豆）

ビタミンB群は、細胞の代謝を促進し、健康な頭皮環境を維持する役割を果たします。
特にビタミンB2やB6は、皮脂の分泌をコントロールし、頭皮の健康をサポートします。

●亜鉛（牡蠣、牛肉、ナッツ類）

亜鉛は、毛母細胞の活性化を助け、髪の成長を促進します。
亜鉛が不足すると、髪の成長が遅くなり、抜け毛の原因となることがあります。
牡蠣、牛肉、ナッツ類などが亜鉛の豊富な供給源です。

●鉄分（レバー、ほうれん草、赤身の肉）

鉄分は、血液を通じて酸素を供給し、毛根の健康を維持します。
鉄分が不足すると、貧血を引き起こし、毛根への酸素供給が不十分になり、抜け毛の原因となることがあります。

●抗酸化作用のある栄養素（緑黄色野菜、ナッツ、ベリー類）

抗酸化作用とは、体内の酸化を抑えることで、老化や生活習慣病などのリスクを低減させる働きのことです。
ビタミンCやビタミンEといった抗酸化作用を持つ栄養素が、活性酸素の影響で細胞が老化するのを防ぐことで、髪を健康に保ち、抜け毛を減らす働きが大いに期待できます。

●オメガ3脂肪酸（青魚、亜麻仁油、クルミ）

オメガ3脂肪酸は、血流を改善し、毛根への栄養供給を促進する働きがあるため、薄毛対策に役立つ可能性があります。
青魚（サバ、イワシ、サンマ、アジ、ニシン）などが、特におすすめです。

これらの栄養素をバランスよく摂取することで、髪の健康を維持し、AGAの進行を遅らせる効果が期待できます。
日々の食事にこれらの食品を積極的に取り入れ、健康的な生活を心がけましょう。

参考：厚生労働省｜健康と美を食べるもので叶える！～肌や髪、爪も美しく 3.改善のカギを握る栄養素～>

2. 良質な睡眠と髪の健康

睡眠は、髪の成長に重要な役割を果たし、成長ホルモンの分泌を促進することで健康な毛髪を維持します。
特に、ノンレム睡眠といわれる深い眠りの時間帯に成長ホルモンが多く分泌されるため、質の高い睡眠を取ることが重要です。
睡眠不足が続くとホルモンバランスが乱れ、髪の成長が妨げられるだけでなく、抜け毛の増加や頭皮環境の悪化を引き起こす可能性があります。

良質な睡眠をとるためのポイント

●睡眠時間の確保

最低でも6〜8時間の睡眠を確保することが理想的です。
短時間の睡眠では、成長ホルモンの分泌が不十分になり、髪の成長サイクルに悪影響を与える可能性があります。

●規則正しい睡眠習慣をつくる

毎日同じ時間に就寝し、起床することで体内時計を整えましょう。休日の寝だめは体内リズムを乱すため、なるべく避けることが望ましいです。

●寝る前のリラックス習慣を取り入れる

就寝の1〜2時間前に入浴し、身体を温めることで、スムーズな入眠を促します。
ストレッチや深呼吸、軽いヨガなどを行い、心身の緊張をほぐしましょう。

また、慢性的なストレスは免疫機能を低下させ、髪の成長にも影響を与えます。適度な運動や趣味の時間を確保し、リラックスする時間を作ることが大切です。
就寝前にカフェインやアルコールの摂取を避け、ハーブティーなどリラックス効果のある飲み物を取り入れるなど、ご自身に合った方法でリラックスできるように工夫してみましょう。

良質な睡眠と髪の関係

成長ホルモンは、髪の成長を促進する重要な役割を担っています。
睡眠の質が低下すると、ホルモンの分泌が減少し、髪の成長が妨げられ、抜け毛の原因になります。
良質な睡眠を確保することで、髪の成長サイクルを正常に保ち、健康な毛髪を維持することができるといわれています。
睡眠の改善は、髪の健康だけでなく、全身の健康にもよい影響をもたらします。
日々の生活習慣を見直し、質の高い睡眠を心がけることで、すこやかな髪を育てましょう。

参考：厚生労働省｜健セルフメンタルヘルスストレスに負けないセルフメンタルヘルス p38>

3. 正しい洗髪と頭皮ケア

適切な洗髪方法を実践し、頭皮環境を整えましょう。

●洗髪前にブラッシングを：髪のもつれをほどき、汚れを浮かせます。
●シャンプーはしっかり泡立てる：直接頭皮に付けず、泡で包み込むように洗いましょう。
●指の腹でやさしく洗う：爪を立てずにマッサージするように洗い、頭皮を傷つけないようにしましょう。
●リンスやトリートメントを活用する：髪の摩擦を防ぎ、毛髪を保護します。
●ドライヤーを適切に使用する：20cm程度離して使用し、しっかり乾かしましょう。

4. 入浴と血流促進

身体を温めることで血流が改善され、毛根への栄養供給がスムーズになります。
湯船に浸かることで、頭皮の血行が促進されます。
シャワーのみではなく、入浴の習慣を取り入れることが重要です。

また、慢性的なストレスは免疫機能を低下させ、髪の成長にも影響を与えることがあるといわれています。
お忙しく過ごされている方が多いとは思いますが、毎日少しだけでも適度な運動や趣味の時間を確保し、リラックスタイムを作りましょう。
入浴がその時間になるといいですね。

5. 禁煙を意識する

タバコに含まれるニコチンやタールは血管を収縮させ、髪に必要な栄養が届きにくくなります。
禁煙することで、頭皮の血行が改善され、健康な髪の維持につながります。

6. 全身疾患とAGAリスクの関係

生活習慣のほか、加齢や遺伝的要因がAGAの原因となることがあります。
また、以下の疾患や生活習慣は毛髪に悪影響を及ぼすため、日々の健康管理が重要です。
●心血管疾患・高血圧・糖尿病・高脂血症：血流を悪化させ、髪の成長に影響を与えます。
●肥満：生活習慣病のリスクを高め、血行不良を引き起こす可能性があります。
●免疫機能の低下：免疫バランスが乱れると、頭皮環境が悪化しやすくなります。
健康的な生活習慣を心がけ、AGAの進行を抑えながら、髪の健康を維持しましょう。